今日の夕飯はどうしようか。昨日はオムライス。一昨日はかに玉。甘口カレーは彼に止められてしまっているから作ることはできない。あんなに美味しいのに、彼はこんな甘いもの食えたもんじゃないと言う。俺の味覚がおかしいと言うけれど、それは俺の味覚がおかしいんじゃなくて、きっと彼の味覚がおかしいんだ。だってあんなに美味しいのに甘口カレー。どうしよう。そうするとそろそろ自分の料理のレパートリーが無くなってくる。トーストにお茶漬けはどうだろう。駄目だ。炭水化物が多すぎる。それならば焼き鳥丼にするのはどうだろうか。ご飯の上に焼き鳥を乗せるだけ。それだけなのに充分すぎるほど美味しい。デザートにはバナナパイもつけてあげたらきっと喜ぶに違いない。よかった。夕飯のメニューがやっと決まった。彼は料理にうるさいから、怒られちゃうかもな。それでも良い。そしたら反省しよう。時間はたっぷりあるのだから。身動きのとれないこの体で彼の帰りを待つ生活。おれはしあわせものだ。




「会いたいよ」





誰に?




(俺は動くことを諦めて明日の朝食を考えた)
(明日はきっと納豆トーストだ)
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